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大腸にできる“くぼみ”って何? 大腸憩室の原因・症状・合併症(憩室炎・憩室出血)をわかりやすく解説!

[2025.03.26]

 「大腸内視鏡検査で“大腸憩室”があると言われました。これって大丈夫なんでしょうか?」
「以前に大腸憩室があると言われたけど、特に治療は必要ないの?」
「大腸憩室があると、どんなリスクがあるの?」

このように、大腸内視鏡検査を受けた際に「大腸憩室がありますね」と言われ、不安に感じたことのある方もいるかと思います。
聞き慣れない言葉に、「病気なの?」「放っておいて大丈夫?」と心配されるかもしれません。

実は、大腸憩室は 日本人の40歳以上の約30~50%に見られる と言われており、決して珍しいものではありません。
ほとんどの場合は無症状で治療の必要もありませんが、 まれに「大腸憩室炎」や「憩室出血」といった合併症を起こすことがあり、腹痛・発熱・血便の原因になることもあります。

そこで今回は、

✅ 大腸憩室とは?

✅ どうしてできるの?

✅ 憩室炎や憩室出血ってどんな病気?

✅ 憩室を持っている人が気をつけること

などについて、わかりやすくご紹介します!

大腸憩室ってどんなもの?

大腸憩室とは、大腸の壁の一部にできる「くぼみ」のようなものです。
大腸の内側から見ると、大腸の壁に小さなへこみや穴のような部分が見えることがあります。
これは、腸の壁が部分的に弱くなって、外側に向かってへこんだ結果できるものです。

特にS状結腸(左下腹部)にできやすいですが、日本人では上行結腸 (右側)にできるケースも多く見られます。

内視鏡写真では、下の写真のように見えます。

大腸憩室ができる原因は?

なぜ大腸の壁にくぼみができてしまうのでしょうか?
主な原因は、腸にかかる圧力が高くなることです。

例えば…

✅ 食物繊維が不足すると、便が硬くなり腸に負担がかかる

✅ 加齢によって腸の壁が弱くなり、圧力に耐えられず膨らむ

✅ 便秘が続くと、腸の内圧が高まる

✅ 遺伝的な体質も関係することがある

特に便秘がちな人は要注意です!
野菜や果物、全粒穀物などをあまり食べず、肉中心の食生活をしていると便が硬くなりやすく、大腸への負担が増します。

大腸憩室炎とは?

大腸憩室自体は症状が出ないことがほとんどですが、
内部に便が詰まり、細菌感染を起こすと炎症が生じることがあります。
これが大腸憩室炎です。

主な症状:

⚡ 突然の腹痛

⚡ 発熱(38℃前後)

⚡ 吐き気・食欲不振

⚡ 便秘または下痢

軽症であれば、外来での抗生剤治療や食事療法で改善しますが、
炎症が強い場合は入院が必要になることもあります。

大腸憩室出血とは?

もう一つの重要な合併症が 憩室出血 です。
憩室内の血管が傷つくことで、突然、大量の血便(鮮血)が出ることがあります。

憩室出血の特徴:

✅ 突然、大量の鮮血が出る(痛みはほとんどなし)

✅ 出血が続くと、めまいや立ちくらみが起こる

✅ 便の色は赤〜暗赤色(出血部位や量によって異なる)

痛みがなく突然起こるため、「驚いて救急外来を受診した」という方も少なくありません。

憩室出血の治療

多くの場合は自然に止血します。
出血量が多い場合や止まらない場合は、内視鏡や血管造影で止血処置を行うことがあります。

「血便が出たけれど、原因がわからない」という場合は、早めの受診がとても大切です!

大腸憩室を防ぐための生活習慣

一度できた憩室を治すことは残念ながらできません。
しかし、新たな憩室の発生を予防するために生活習慣の見直しが重要です!

食物繊維をしっかり摂る!
➡ 野菜・果物・豆類・きのこ・海藻などを適度に取りましょう。
➡ 日本人の食物繊維摂取量は少なめなので「意識して摂る」が大切です。

水分をしっかりとる!
➡ 水分不足は便が硬くなる原因になります。
➡ ただし、心疾患や腎疾患で水分制限がある方は主治医にご相談を。

適度な運動を習慣に!
➡ ウォーキングやストレッチなどで腸の動きを活発に。
➡ 長時間の座りっぱなしは腸の動きを鈍らせるため注意しましょう。

便秘を放置しない!
➡ 便が硬いと腸にかかる圧力が上がりやすくなります。
➡ 食事・運動・生活リズムを見直しても改善しない場合は、薬による治療も検討が必要です。

まとめ:大腸憩室と上手に付き合おう!

☑ 大腸憩室は40歳以上の30〜50%に見られます
☑ 多くの場合、症状がなく治療は不要です
☑ ただし、憩室炎・出血などの合併症に注意
☑ 新たな憩室の発生を予防するために、生活習慣の見直しが大切です
☑ 血便や腹痛がある場合は、早めに受診を!

当院では、消化器の病気に関して専門的な診療を行っております。
苦痛の少ない大腸カメラも行っておりますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください!

▶ 詳しくは当院の【大腸内視鏡検査】のページへ!

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