急性膵炎
急性膵炎とは
急性膵炎(きゅうせいすいえん)は、膵臓が作り出す消化酵素(膵液)が、何らかの原因で膵臓自体を攻撃してしまい、炎症を引き起こす病気です。
膵臓の自己消化が進行すると、膵臓に強いダメージを与え、深刻な合併症を引き起こすことがあります。
急性膵炎の主な原因は、胆石や飲酒によるものです。
日本では急性膵炎の発症数が徐々に増加しており、男性では飲酒、女性では胆石が原因となるケースが多く見られます。
急性膵炎は、時に重症化して命に関わることもあるため、早期の診断と適切な治療が非常に重要です。
ここでは、急性膵炎の原因、症状、診断方法、治療法について詳しく解説します。
急性膵炎の原因
急性膵炎の最も一般的な原因は、胆石と過度の飲酒です。
胆石(胆管結石)
胆管(胆汁の通り道)と膵管(膵液の通り道)は繋がっています。
そのため、胆管にできた石が膵管を詰まらせることがあり、膵液の流れが妨げられて膵臓に炎症を引き起こします。
過度の飲酒
長期間にわたる大量の飲酒が膵臓に負担をかけ、急性膵炎を引き起こすことがあります。
これら以外にも、薬物の副作用や外傷、膵管の先天的な異常、遺伝的要因などが急性膵炎の原因となることがあります。
急性膵炎の症状
急性膵炎の主な症状は以下の通りです。
急激な腹痛
上腹部を中心とした突然の激しい痛みが現れます。痛みは背中に放散することも多いです。
吐き気、嘔吐
腹痛に伴って、強い吐き気や嘔吐が起こることがあります。
発熱
身体の炎症反応として、発熱が見られることがあります。
急性膵炎の診断方法
急性膵炎の診断には、以下の検査が行われます。
血液検査
膵臓の酵素(アミラーゼ、リパーゼ)の値を測定し、膵臓の炎症を確認します。
画像検査(CT、MRI、超音波検査)
膵臓の状態を確認し、膵臓の腫れや周囲の臓器への影響、胆石の有無を評価するために超音波検査CTやMRI検査が行われます。
急性膵炎の治療法
急性膵炎の治療は、状態、重症度によって異なります。急性膵炎の特効薬はなく、主に以下の治療が行われます。
輸液療法
体内の水分と電解質のバランスを保つため、大量の輸液が行われます。
痛みの管理
激しい痛みを和らげるために、鎮痛剤が投与されます。
胆石除去
胆石が原因の場合、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)などで、胆石を取り除く処置が行われます。
まとめ
急性膵炎は、胆石や過度の飲酒が主な原因で、膵臓に急性の炎症を引き起こす病気です。
症状は激しい腹痛や吐き気、発熱などで、早期の診断と治療が重要です。
適切な治療が行われれば多くの場合回復しますが、重症化すると命に関わることもあるため、早めの医療機関受診が必要です。