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膵癌

膵癌(すいがん)について

膵臓とは、胃の後ろ側に位置する臓器で、消化酵素やインスリン(血糖値を下げるホルモン)を分泌する重要な臓器です。
膵癌は、その膵臓に発生する悪性腫瘍であり、早期には症状が現れにくく、発見が遅れることが多い病気です。
そのため、膵癌は他の癌と比べて予後(治療後の経過)が悪いことが知られています。

ここでは、膵癌の症状や原因、病気の種類、治療法について詳しく説明します。

膵癌の症状について

膵癌の初期症状は非常にわかりにくいことが特徴です。
腹痛や背中の痛み、食欲不振、体重減少といった症状が見られることもありますが、無症状であることも少なくありません。

進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

黄疸(おうだん)

皮膚や目の白い部分が黄色くなる症状で、膵癌が胆管を圧迫することで引き起こされます。
これは、胆汁の流れが妨げられることによって生じます。

便の色の変化

便が白っぽくなることがあります。
これは、胆汁が十二指腸に流れ込まないために起こります。

腹痛や背中の痛み

膵臓の位置に関連した痛みが、特に背中にかけて感じられることがあります。

体重減少

特に食事や生活習慣に変化がないにもかかわらず、急激な体重減少が起こることがあります。

糖尿病の悪化

膵臓がインスリンを分泌する機能を持つため、膵癌が進行することで糖尿病の値が悪化することがあります。

これらの症状が現れた場合には、早めに医療機関を受診することが重要です。

膵癌の原因、リスク要因

膵癌の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下のようなリスク要因が知られています。

家族歴

家族に膵癌の患者さんがいる場合、膵癌になるリスクが高いとされています。

遺伝性膵炎

特定の遺伝子(親から受け継ぐ遺伝情報)に問題があると、膵臓に慢性的な炎症が起こりやすくなり、その結果、膵癌のリスクが非常に高くなります。

糖尿病

糖尿病があると、膵癌のリスクが高くなります。
特に最近になって糖尿病になった場合は注意が必要です。

肥満

若い頃に体重が多かった男性は、膵癌のリスクが高まることが知られています。

慢性膵炎

膵臓が長い間炎症を起こしている状態を慢性膵炎と言います。
この状態が続くと、膵癌のリスクが大幅に上がります。

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

膵臓にできる嚢胞性病変(水たまり)です。
この嚢胞性病変を指摘されている方は、通常よりも膵癌ができやすいとされています。

喫煙

タバコを吸うことで、膵癌のリスクが高まります。
特に喫煙本数が多いほど、そのリスクは高くなります。

アルコール

毎日たくさんのアルコールを飲む人は、膵癌になるリスクが高くなることがわかっています。

 

膵癌の病気の種類

膵癌は、その発生部位や組織の種類によりいくつかのタイプに分類されます。

膵管癌(すいかんがん)

最も一般的な膵癌のタイプで、膵臓内の膵管(消化酵素を運ぶ管)に発生します。
膵管癌は、膵癌全体の90%以上を占めます。

膵神経内分泌腫瘍(膵NEN)

膵臓内のホルモンを分泌する細胞から発生する腫瘍で、膵管癌とは異なる病態を示します。
膵NENは比較的進行が遅く、治療法も異なります。

膵管癌や膵NEN以外にも、稀なタイプの膵癌が存在します。
これらの組織の違いによって、治療法や予後が異なるため、正確な診断が必要です。

膵癌の診断方法

膵癌が疑われる場合、以下の検査が行われます。

血液検査

膵臓の機能や腫瘍マーカー(CA19-9など)の値を調べます。

画像検査

腹部超音波検査、CTスキャン、MRI、PETなどを用いて、膵臓の状態や腫瘍の有無を確認します。

内視鏡超音波検査(EUS)

内視鏡を使って膵臓の詳細な画像を取得し、腫瘍の有無を確認します。
膵臓の腫瘍の位置や大きさを詳細に確認し、必要に応じて組織の採取(生検)を行うこともできます。

当院での検査と連携体制

当院では、膵癌の早期発見に力を入れています。(膵癌早期発見の取り組み)
まずは採血と超音波検査を行い、膵癌の兆候が見られた場合には、より精密な検査が必要かどうかを判断します。

CT、MRI、超音波内視鏡検査が必要とされた場合には、これらの検査が可能な施設と連携し、迅速に検査を進め、患者さんが適切な医療を受けられるようサポートいたします。

膵癌の治療法

膵癌の治療法は、病気の進行度や患者の全体的な健康状態によって異なります。
主な治療法には以下のようなものがあります。

手術

膵癌が手術で切除可能な段階にある場合、根治(完全な治癒)を目指して手術が行われます。

化学療法

手術が困難な場合や、手術後に再発を防ぐために抗がん剤治療を行うことがあります。

また、最近の研究では、手術前に抗がん剤治療(術前化学療法)を行い、腫瘍を縮小させた後に手術を行う方が、治療成績が向上することが報告されています。

放射線療法

放射線を用いて癌細胞を攻撃する治療法です。
化学療法と組み合わせて使用されることが多く、局所的な症状の緩和に効果的です。

治療法の選択は、患者ごとに異なるため、専門医との相談が必要です。

まとめ

膵癌は、初期症状が乏しく、発見が難しい病気ですが、リスク要因を理解し、定期的な検診を受けることで早期発見の可能性を高めることができます。
症状が現れた際には、すぐに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。

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