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胆石

胆石症について

胆石とは、胆嚢(胆汁を蓄える袋状の臓器)や胆管内にできる石のことをいいます。
これは、胆汁の成分が固まって石のようになったもので、大きさや数は様々です。

胆石は一般的な疾患であり、健康診断や他の病気の検査で偶然発見されることも多い病気です。
特に中高年の女性に多く見られますが、どの年齢層でも発症する可能性があります。

胆石があっても無症状のことが多いですが、胆石が胆嚢や胆管に詰まるなどして胆汁の流れが妨げられると、強い痛みや発熱などさまざまな症状が現れることがあります。

ここでは、胆石症の症状、リスクや原因、病気の種類、診断方法、治療法について詳しく説明します。

胆石症の症状

胆石症の症状は、胆石の大きさや場所によって異なります。
無症状の場合も多いですが、胆石が胆嚢や胆管を詰まらせたり、胆嚢炎や胆管炎を引き起こしたりすると、以下のような症状が現れます。

右上腹部の激しい痛み(胆石発作)

食事後、特に脂肪分の多い食事を摂った後に、右上腹部に突然強い痛みが生じることがあります。
この痛みは、数分から数時間続くことがあり、背中や右肩にも放散することがあります。

黄疸(おうだん)

皮膚や目の白い部分が黄色くなる症状です。
胆石が胆管を詰まらせて、胆汁の流れが妨げられることで起こります。

発熱

胆嚢炎や胆管炎を引き起こした場合、発熱や悪寒が見られることがあります。

吐き気や嘔吐

胆石が胆嚢や胆管に詰まることにより、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

これらの症状が現れた場合、早めに医療機関を受診することが重要です。

胆石症の原因

胆石症の原因は、胆汁の成分バランスが崩れることによって起こります。
胆汁は肝臓で作られ、胆嚢に蓄えられてから、十二指腸(小腸の一部)に流れ込みますが、以下のような要因によって胆石が形成されます。

コレステロール胆石

胆石の中で最も一般的なタイプで、胆汁中のコレステロールが固まってできる石です。
高コレステロール血症や肥満、食事の不摂生がリスク要因となります。

色素胆石

ビリルビンという物質が固まってできる胆石で、慢性の肝疾患や血液疾患がある方に見られることがあります。

混合型胆石

コレステロールとビリルビンの両方が混ざった石で、さまざまな要因が関与しています。

これらの要因が組み合わさることで胆石が形成され、胆石症の発症リスクが高まります。

胆石症のリスクが高い人

胆石症のリスクが高い人には、以下のような特徴があります。

肥満

肥満は胆汁のコレステロール濃度を高め、胆石ができやすくなります。

女性

ホルモンの影響で胆汁の流れが遅くなり、胆石が形成されやすくなります。

高脂肪食を好む人

脂肪分の多い食事を頻繁に摂ると、胆汁が濃縮され、胆石のリスクが高まります。

高齢者

年齢が上がると、胆汁の流れが悪くなり、胆石ができやすくなります。

家族歴がある人

家族に胆石症の方がいる場合、リスクが高くなります。

糖尿病のある人

糖尿病は胆汁の成分バランスを崩し、胆石のリスクを高めます。

これらのリスクに該当する方で、食後に右上腹部の痛みを感じる場合は、胆石症の可能性があります。

胆石症の病気の種類

胆石症は、胆石ができる場所によっていくつかの種類に分類されます。
それぞれの種類によって症状や治療法が異なるため、正確な診断が必要です。

胆嚢胆石症

胆嚢内に胆石がある状態です。
無症状の場合も多いですが、胆石が胆嚢管や胆管に移動して詰まると、激しい痛みや炎症を引き起こすことがあります。

総胆管結石症

胆石が胆嚢を出て、胆管(肝臓と胆嚢、十二指腸を繋いでいる管、胆汁が流れている管)に詰まることで発症します。
この場合、黄疸が現れやすく、放置すると重篤な状態になることがあります。

胆嚢炎

胆石が胆嚢の出口を塞ぐことで、胆嚢に炎症が生じる病気です。
右上腹部の激しい痛み、発熱、吐き気などが特徴です。

胆管炎

胆石が胆管に詰まり、胆汁の流れが妨げられることで胆管に炎症が起こる病気です。
発熱や黄疸、腹部の不快感が特徴で、治療が遅れると重症化し、命に関わることがあります。

胆石症の診断方法

胆石症の診断は、主に画像検査と血液検査によって行われます。
以下の方法が一般的です。

腹部超音波検査(エコー検査)

胆石症が疑われた場合の最も一般的な検査です。
体への負担がなく、胆石の大きさや数、胆嚢や胆管の状態を把握できます。

CT

胆石の位置や胆管の状態をより詳細に確認するために使用されます。
特に、総胆管結石や胆管炎が疑われる場合に有効です。

MRI

胆嚢や胆管の状態を詳しく評価するために用いられることがあります。
特に、総胆管結石が疑われる場合に有効です。

血液検査

炎症の有無や肝機能、胆汁の流れを確認するために行われます。
特に、黄疸や胆管炎が疑われる場合には重要な指標となります。

 

これらの検査によって、胆石症の状態を正確に把握します。
当院では、腹部エコー検査を用いて胆石の早期発見に努めています。

胆石症の治療法

胆石症の治療は、症状の有無や胆石の種類、大きさ、場所によって異なります。
主な治療法は以下の通りです。

経過観察

無症状の胆石の場合、特に治療は必要なく、定期的な経過観察が推奨されます。
腹部超音波検査を定期的に行い、胆石の状態を確認します。

薬物療法

胆石が小さく、症状が軽度の場合、胆石を溶かす薬が処方されることがあります。
ただし、すべての胆石に効果があるわけではなく、治療には時間がかかる場合があります。

胆嚢摘出手術

症状がある場合や、胆嚢炎、胆管炎が発生した場合には、胆嚢摘出手術が行われます。
一般的には腹腔鏡手術が採用され、身体への負担が少ない方法です。
手術後は、通常の生活に戻ることができますが、脂肪分の多い食事には注意が必要です。

内視鏡的治療

総胆管結石がある場合、内視鏡を用いて胆石を取り除く治療が行われることが多いです。

まとめ

胆石症は、無症状であることも多いですが、症状が現れた場合には早期の診断と治療が重要です。
特に、リスク要因に当てはまる方で食後に右上腹部の痛みを感じた場合には、腹部超音波検査を受けることをお勧めします。
当院では、早期発見から治療まで、迅速かつ適切に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。

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