インフルエンザとは
インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。季節性インフルエンザは毎年冬に流行し、特に高齢者、乳幼児、基礎疾患を持つ人々に重症化するリスクがあります。インフルエンザのウイルスには主にA型、B型、C型が存在しますが、季節性インフルエンザの原因となるのは主にA型とB型です。
インフルエンザの症状
インフルエンザの主な症状は以下の通りです。
- 高熱(38度以上)
- 頭痛
- 関節や筋肉の痛み
- 倦怠感
- 喉の痛み
- 咳
- 鼻水や鼻づまり
- 寒気
特に高熱や筋肉痛、関節痛などの全身症状が特徴です。幼児や高齢者では、脱水症状や肺炎、脳炎といった合併症が発生しやすく、重篤化するケースもあります。特に注意が必要です。
インフルエンザの感染経路
インフルエンザは主に飛沫感染や接触感染によって広がります。
- 飛沫感染:感染者が咳やくしゃみをする際にウイルスが含まれる微小な飛沫が飛び散り、それを他の人が吸い込むことで感染が広がります。
- 接触感染:感染者がウイルスを含む手で触れた物(ドアノブや手すりなど)に触れ、その後、手を口や鼻に触れることによってウイルスが体内に入り感染することもあります。
インフルエンザウイルスは非常に感染力が強く、流行シーズンには多くの人々に感染が拡大する可能性があります。
インフルエンザA型とB型の違い
インフルエンザウイルスには大きく分けてA型とB型の2種類があり、それぞれのウイルスに特徴があります。
A型インフルエンザ
- 症状の特徴:高熱、筋肉痛、関節痛などが強く現れやすいです。
- 変異のしやすさ:A型ウイルスは毎年少しずつその抗原性(ウイルスの性質)が変化するため、毎年流行を繰り返します。また、数年に一度、大きな変異を起こし、新型インフルエンザとして大規模な流行を引き起こすことがあります。
- 流行時期:例年、インフルエンザシーズンの早い時期(12月~1月)に流行することが多いです。
B型インフルエンザ
- 症状の特徴:A型よりも症状が比較的軽いことが多いですが、腹痛や下痢といった消化器症状が出ることがあります。
- 変異のしやすさ:B型ウイルスはA型と比べて変異が起こりにくく、流行の規模もA型ほど大きくありません。
- 流行時期:インフルエンザシーズンの後半(2月~3月)に流行する傾向があります。
インフルエンザの治療
インフルエンザの治療は、主に症状を緩和し、回復を早めることを目的としています。
1. 抗インフルエンザ薬の使用
- タミフル(オセルタミビル)、リレンザ(ザナミビル)、イナビル(ラニナミビル)、ゾフルーザ(バロキサビル マルボキシル)などの抗インフルエンザ薬が用いられます。
- これらの薬はインフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があり、発症から48時間以内に使用すると効果的です。症状を軽減し、回復を早める効果が期待できます。
2. 対症療法
- 高熱や痛みに対して、解熱鎮痛薬を使用することがあります。
- しっかりと休養を取り、こまめに水分補給をすることが重要です。特に高齢者や子どもは脱水に注意が必要です。
インフルエンザの予防法
日常的な予防対策
- 手洗い:石鹸と流水で手をしっかりと洗い、感染予防に努めましょう。
- マスク着用:咳やくしゃみからの飛沫感染を防ぐために、公共の場所ではマスクの着用が推奨されます。
- 換気:定期的に部屋を換気し、空気を清潔に保つことも重要です。
- 規則正しい生活:十分な睡眠や栄養バランスの取れた食事を心がけ、免疫力を維持しましょう。
ワクチン接種
インフルエンザワクチンは、ウイルスに対する免疫を高め、感染予防だけでなく、感染した場合の症状を軽減する効果もあります。
- 接種時期:流行が始まる前の10月から12月が理想的な接種時期です。
- 効果の持続期間:接種後2週間で効果が現れ、約5ヶ月間効果が持続します。
- 対応するウイルス:インフルエンザワクチンはA型とB型の両方に対応し、毎年の流行前に予測されるウイルス型に基づいて製造されています。
- 有効性:65歳以上の高齢者においては、ワクチン接種により発症率が約50%、死亡率が約80%抑制されるという報告があります。
インフルエンザワクチンの副反応について
インフルエンザワクチン接種後、いくつかの副反応が報告されています。ほとんどの副反応は軽度で、通常数日以内に改善します。
主な副反応
- 局所反応(接種部位の反応):赤み、腫れ、痛みが見られることがあります。これらの症状は10~20%の接種者に見られますが、通常は2~3日で消えます。
- 全身性反応:発熱、頭痛、倦怠感、寒気などの症状が5~10%の接種者に見られることがあります。これも2~3日で改善します。
- ごく稀にアナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)が生じる可能性があります。
公費助成について
川崎市では、65歳以上の方を対象に公費助成があります。また、60歳から64歳の方で以下の条件を満たす方も対象となります。
- 心臓、腎臓、呼吸器に1級程度の機能障害がある方
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害がある方
自己負担額
- 公費助成あり:2300円
- 公費助成なし:4000円
- 13歳未満は2回接種が必要で、1回目は4000円、2回目は3000円です。(1回目と2回目の接種間隔は2-4週間)
まとめ
インフルエンザは毎年多くの人が感染し、特に高齢者や免疫力の低い人にとっては命に関わるリスクがあります。日常的な感染予防策とワクチン接種が、インフルエンザから自分自身と周囲の人を守る最も効果的な方法です。当院ではインフルエンザワクチンの接種を行っていますので、予防接種をご希望の方やご質問のある方は、お気軽にご相談ください。