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大腸ポリープの切除、痛みはある?安全で負担の少ない『Cold Snare Polypectomy(CSP)』とは

[2025.02.20]

「大腸カメラを受けたほうがいいのかな?」と悩んでいる方や、「もしポリープが見つかったらどうなるの?」と不安に思う方もいるかもしれません。

大腸ポリープは、内視鏡検査で見つかることが多い異常のひとつです。
多くの場合、内視鏡で切除されますが、「切除に時間がかかる?」「痛みはある?」と心配される方もいるでしょう。

近年では、「コールドスネアポリペクトミー(Cold Snare Polypectomy:CSP)」 という 安全で体への負担が少ない切除方法 が普及しており、当院でもこの方法を採用しています。

この記事では、CSPとはどのような方法なのか? 痛みはあるのか? 出血やリスクは? について、わかりやすく解説します!

大腸ポリープとは?

大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる小さな隆起(できもの) です。


詳しくは、以前のブログ 「ポリープは放置して大丈夫?内視鏡検査での発見事例」「大腸ポリープとは?」をご参照ください。

ほとんどのポリープは無症状で、健康診断や大腸カメラを受けた際に偶然発見されることが多いです。

しかし、中には将来的に大腸癌へ進行する可能性があるため、無症状でも早めに切除することが推奨されます。

✅ 特に切除が推奨されるポリープ

  • 腺腫性ポリープ(将来、がん化する可能性がある)
  • 大きくなってきたポリープ
  • 形が不整なポリープ(不規則な形、凹凸があるもの)

 

大腸ポリープの切除は痛い?リスクは?

大腸ポリープの切除は 通常、痛みを感じません
なぜなら、大腸の粘膜には 痛みを感じる神経がほとんどない ためです。

しかし、切除範囲が予定より深くなった場合 や、まれに 腸に穴(穿孔)が開いてしまった場合 には、強い腹痛や高熱 が出ることがあります。

そのような場合は、入院や緊急治療が必要 になることもあります。

そのため、できるだけ 安全で負担の少ない方法でポリープを切除することが大切 です。

大腸ポリープの切除方法:Cold Snare Polypectomy(CSP)とは?

大腸ポリープの切除方法には、大きく分けて 2種類 あります。

  1. ホットポリペクトミー(HP)
  2. コールドポリペクトミー(CP)

この2つの違いは、電気の熱を使うかどうか です。

🔹 ホットポリペクトミー(HP)

電気の熱を使ってポリープを切除する方法 です。ホットポリペクトミーにはいくつかの種類がありますが、本記事では詳細な説明は割愛します。

以前は大腸ポリープの多くがこの方法で切除されていましたが、熱を使うことで以下のリスクがありました。

切除後1-3日後に出血することがある
切除範囲が深くなりすぎることがある
腸に穴が開く(穿孔する)リスクがある

もちろん、これらの合併症を防ぐために医師は慎重に処置を行っており、発生頻度は低いとされています。

しかし、万が一合併症が発生すると、緊急処置や入院が必要になる場合があります

こうしたリスクを軽減するために、近年では次に紹介するコールドポリペクトミーが広く普及しています。

🔹 コールドポリペクトミー(CP)

電気の熱を使わずにポリープを切除する方法 で、「コールド」と呼ばれるのは 熱を使わない ためです。

コールドポリペクトミーの最大の利点は

熱を使用しないため、腸の壁へのダメージが少なく、安全性が高い

ことです。

 

以前から、 鉗子(かんし) という ピンセットのような器具を使ってポリープをつまみ取る方法がありました。しかし、この方法では 微小なポリープしか除去できず、取り残しのリスク があり、あまり行われていませんでした。

そこで、「スネア(輪状のワイヤー)」を用いることで、10mm程度までのポリープも安全に切除できるようになり、コールドポリペクトミーがさらに普及 しました。

 

この スネアを用いたコールドポリペクトミーを
「コールドスネアポリペクトミー(Cold Snare Polypectomy:CSP) といいます。

近年では、10mm以下のポリープに対しては、より安全で負担の少ないCSPが主流 となっています。

CSPのメリット・デメリット

CSPのメリット 

合併症が少ない
電気を使わないため、出血や穿孔のリスクが非常に低いのが特徴です。

処置時間が短い
ほとんどの場合、数分以内で切除が完了するため、検査時間が延びることなくスムーズに施行できます。

外来検査中にその場で施行可能
合併症が少なく、処置時間も短いため、検査中に見つかったポリープをその場で切除することが可能です。

CSPのデメリット 

10mm以上の大きなポリープには不向き(しっかりと切除できない可能性があるため)
ポリープの形によってはCSPが適さない場合がある

 

 

以上のようなメリット・デメリットがあり、CSPは、特に10mmまでのポリープ に適しています。

逆に、10mm以上のポリープや、形がいびつで癌の可能性があるもの には、ホットポリペクトミー が必要となります。

当院でのCSPの取り組み

当院では、大腸内視鏡検査時に発見された適応のあるポリープに対して、その場でCSPを実施 することが可能です。

次は、実際にCSPを行った症例です。

約5mm大の大腸ポリープ(大腸腺腫)です。

① 内視鏡からスネア(輪状のワイヤー)を出し、ポリープの位置に合わせます。

 

② ポリープの位置に合わせたら、スネアを徐々に締めていきます。この際、ポリープ全体が確実にスネア内に収まるよう注意しながら締めていきます。ポリープ全体がしっかりと入っていることを確認したら、一気にスネアを締めて切除します。

 

③こちらが切除後の写真です。ポリープは完全に切除されており、出血も最小限に抑えられています。

ポリープ切除後の過ごし方

基本的に、日常生活に大きな制限はありません。

ただし、出血リスクを少しでも減らすため、以下の点にご注意ください。

切除後3日間は

  • アルコールの摂取を控える(禁酒)
  • 辛いものなどの刺激物を避ける
  • 激しい運動を控える

また、万が一の合併症に備え、切除後3日間は遠方への外出をお控えください。

まとめ

🔹 大腸ポリープの切除は基本的に痛みなし!
🔹 熱を使わないCSPは腸へのダメージが少なく、合併症リスクが低い!
🔹 10mm以下のポリープにはCSPが適している!

大腸がんは、ポリープのうちに切除することでリスクを減らせる病気です。
早めの対策で、健康を守りましょう。

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