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ポリープは放置して大丈夫?内視鏡検査での発見事例

[2025.01.31]

ポリープという言葉を一度は耳にしたことがある方と思います。
健診や病院で「ポリープが見つかりました」と言われると、不安になる方も多いでしょう。

この記事では、消化器領域に発生するポリープの概要やリスク、内視鏡検査での発見事例についてわかりやすく解説します。

 

ポリープとは?

ポリープとは、体内の粘膜の表面に発生する隆起物(イボのようなもの)の総称です。

3d rendered medical illustration of colon polyps


ポリープは、胃や大腸をはじめ、食道や小腸(十二指腸)など、さまざまな部位に発生します。

多くの場合、ポリープは良性であり、健康に直接的な影響を与えることはありません

しかし、一部のポリープは時間の経過とともにがん化する可能性があるため、適切な経過観察や治療が必要になることがあります。

 

ポリープの種類について

「ポリープ」とひとくちに言っても、その種類は様々あります。

ポリープを大まかに分類すると以下のようになります。

 

  1. 腫瘍性ポリープ

腫瘍(しゅよう)とは、「正常な細胞が何らかの原因で変化し、異常に増え続けたもの」のことを言います。

「腫瘍」と聞くと「がん(癌)」を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、腫瘍=がんではありません

 

腫瘍性ポリープは、

  • 良性腫瘍
  • 悪性腫瘍(がん)

 に分けられます。そして、「がん(癌)」は「悪性腫瘍の一種」です。

 

 

良性腫瘍
    • 増殖のスピードが遅く、他の臓器に広がることはない。
    • 生命に関わることは少ない。
    • 時間が経つにつれ、悪性化(がん化)するものがある。

 

悪性腫瘍(がん)
    • 異常な細胞が周囲に広がったり、血液やリンパを通じて別の臓器へ移る(転移する)。
    • 進行すると臓器の働きを妨げ、生命に影響を与える可能性があるため、早期の診断・治療が重要。

 

 といった特徴があります。

ここで注意が必要なのは、良性腫瘍の中でも時間が経つとがん化するものもあるということです

例えば、「腺腫」は良性腫瘍ですが、大きくなったり、性質が変化するとがん化する可能性があります。

 

  1. 非腫瘍性ポリープ

腫瘍成分を含まないポリープのことを指します。

ほとんどの場合、命に関わることはなく、特に症状がなければ経過観察を行うことが一般的です。

ただし、

  • ポリープが大きくなり続ける場合
  • 症状(出血や痛みなど)を引き起こす場合

には、治療が必要になることがあります。

 

ポリープの経過観察と治療の必要性

「ポリープがある」と指摘された場合、その多くは良性腫瘍もしくは非腫瘍性ポリープのことを指します。

しかし、良性腫瘍の中には腺腫のように時間とともにがん化するものもあります。
そのため、次のようなケースでは、定期的な経過観察や早期の切除を検討することが望ましいです。

  • がん化のリスクが高いポリープ
  • ポリープが大きくなっている
  • 症状を引き起こしている

内視鏡検査でのポリープ発見例 

当院では、胃や大腸の内視鏡検査を通じてポリープを発見するケースが多くあります。

ポリープを発見した際は、様々な内視鏡技術を駆使して、ポリープが腫瘍性なのか非腫瘍性なのか、治療や定期的な経過観察が必要なのか、を判断しています。

以下は、内視鏡検査で実際に見られるポリープの事例です。(個人情報のため一部改変しております。写真の掲載にあたり患者様の許可を頂いております。)

大腸ポリープ①

症例: 50代男性。便秘が続くために大腸内視鏡検査を実施。がん検診での便潜血検査では異常は指摘されていなかった。結果は、大腸に5mm大のポリープが発見された。

対応: 「大腸腺腫」と診断し、内視鏡下でポリープを切除した。切除したポリープの病理検査(顕微鏡検査)も行い、「大腸腺腫」で間違いないことを確認した。定期的な経過観察を提案しました。

 

大腸腺腫とは?

大腸に発生する最も一般的な良性腫瘍であり、がん化の可能性があるポリープです。

実際に、大腸がんの多くは大腸腺腫が増大し、がん化することで発生することがわかっています。

そのため、大腸腺腫の段階で切除することで、大腸がんの予防が可能となります。

しかし、検診で行われる便潜血検査では、大腸腺腫があっても異常が検出されないことも多いです。

大腸腺腫の切除方法は大きさや発生部位によって異なりますが、多くの場合、内視鏡で比較的簡単に切除が可能です。また、切除時の痛みはほとんどありません。合併症としては、出血や穿孔(腸に穴が開く)がありますが、その頻度は稀です。

 

大腸ポリープ②

症例: 60代女性。数ヶ月前から下痢が続いており、大腸内視鏡検査を実施。大腸に2-3mm大のポリープが複数発見されました。

対応: 非腫瘍性ポリープと判断し、特に処置はしませんでした。引き続き定期的ながん検診を受けるように提案しました。

 

このように、すべてのポリープが治療を必要とするわけではなく、放置しても問題のないものもあります。 

しかし、内視鏡検査だけでは非腫瘍性ポリープと確定できない場合もあるため、その際は切除して病理検査(顕微鏡検査)を行うことがあります。

 


 

今回は、主に「大腸ポリープ」の例を紹介しました。

次回は「胃ポリープ」を紹介したいと思います

 

本記事のまとめ

ポリープが見つかった場合、放置しても問題のないものも多いですが、中には定期的な経過観察や治療が必要なものもあります。

ポリープが気になる方や健康診断で異常を指摘された方は、ぜひ一度当院にご相談ください。地域の皆さまの健康をサポートするため、丁寧で安心の検査を提供しています。

 

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