下痢が止まらない…それって危険? ― 長引く原因と受診すべきサイン ―
「最近ずっとお腹の調子が悪い…」
「下痢がなかなか治らない」
そんな症状に悩まされていませんか?
下痢はよくあるお腹の症状のひとつですが、数日で自然に治るケースもあれば、重大な病気のサインとして現れることもあります。
この記事では、下痢が長引く原因や注意が必要な病気、受診の目安について、内科・消化器内科の視点からわかりやすく解説します。
🔷急性?慢性?下痢のタイプ別に見る原因と対処法
下痢は大きく分けて、以下の2つに分類されます。
急性下痢症:発症から2週間以内におさまるもの
慢性下痢症:発症から4週間以上続くもの
◯急に始まる下痢 ― 感染性腸炎にご注意を
急性下痢症の多くは、ウイルスや細菌による感染性腸炎が原因です。
ほとんどの場合、数日で自然に軽快しますが、症状をやわらげる薬が使われることもあります。
特別な治療を必要としないケースが多いですが、注意すべき点もあります。
✅ 注意点
市販の下痢止めを安易に使うのは避ける。
感染性の下痢では、腸内の病原体を体外に排出することが重要です。
下痢止めを使用することで症状が悪化し、重症化することがあります。嘔吐や下痢の処理後は、石けんと流水による丁寧な手洗いが大切。
アルコールが効きにくい菌もあるため、石けんを使用した手洗いが有効です。
✅ 受診の目安
以下のような症状がある場合は、医療機関の受診をおすすめします。
吐き気が強く、水分がとれない
下痢が続いてふらつく
高熱がある
全身の倦怠感が強い
- 血便が混じる
◯何週間も続く下痢 ― 生活習慣が関係していることも
慢性的に下痢が続く場合、その背景にはさまざまな要因が考えられます。
🟠 比較的よくある原因
食生活や飲酒、刺激物の摂取
→ 特にアルコールを頻繁に摂取する方は、腸の働きが乱れやすくなります。過敏性腸症候群(IBS)
→ ストレスや自律神経の乱れが原因で、下痢と便秘を繰り返す病気です。
→ 若い世代にも多く見られます。
→ 感染性腸炎にかかった後に、過敏性腸症候群を発症することもあります。
これらは命に関わることは少なく、生活習慣の見直しやお薬でコントロール可能です。
🔷要注意!慢性下痢の裏に隠れる重大な病気
長引く下痢の中には、しっかりとした治療が必要な病気が隠れていることがあります。
🟥 特に注意が必要な病気
潰瘍性大腸炎・クローン病(炎症性腸疾患)
→ 消化管に慢性的な炎症が起こる病気で、進行すると腸が狭窄したり、穴があくこともあります。大腸がん・膵臓がんなどの消化器がん
→ 血便・体重減少・貧血などを伴う場合は要注意です。薬の副作用
→ 抗生物質や降圧薬、糖尿病治療薬などが腸内環境を乱し、下痢を引き起こすことがあります。その他の疾患
→ 慢性膵炎や甲状腺機能亢進症など、消化管以外の病気が原因となることもあります。
🔷こんな症状がある場合は、医療機関に相談を
では、どのような場合に医療機関を受診すべきなのでしょうか。
以下のような症状がある方は、早めに消化器内科での診察・検査をおすすめします。
50歳以上で、初めて下痢の症状が出た
血便や黒色便がある
強い腹痛や体重減少を伴う
発熱や貧血がある
家族に大腸がんや炎症性腸疾患の方がいる
これらに該当する場合、重大な病気が隠れている可能性がありますので、放置せず早めに医療機関を受診してください。
上記に当てはまらない場合でも、「下痢が続いていて心配…」「どこに相談すればいいかわからない…」という方は、川崎区で消化器内科をお探しの方も含め、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
🔷当院でできる検査と診療のご案内
当院では、消化器内科専門医が、症状に応じて適切な検査・診断・治療を行っています。
🧪 主な検査内容
血液検査(炎症反応、貧血、栄養状態の確認)
便検査(感染症や出血の有無)
腹部超音波検査(膵臓・胆嚢・腸管などの異常確認)
大腸内視鏡検査(ポリープや炎症、がんの有無を確認)
検査は無理のない範囲で、必要性を見極めたうえで最適な順序でご提案いたします。
ご不安な方も安心してご相談ください。
🔷まとめ|気になる症状があれば、まずはご相談ください
慢性的な下痢の中には、放っておくと進行してしまう重大な病気が隠れていることがあります。
特に以下のような症状を伴う場合は注意が必要です:
体重減少
血便や黒色便
発熱・全身の倦怠感
症状が軽くても、これらに当てはまる場合は一度ご相談いただくことをおすすめします。
早めの対応が、重大な病気を未然に防ぐことにつながります。
川崎区で下痢の診療をご希望の方は、内科・消化器内科の当院までお気軽にご相談ください。
当院では、苦痛の少ない丁寧な大腸内視鏡検査を行っております。
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