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「黒色便」に注意!|消化器内科が解説する原因と受診の目安

[2025.09.24]

はじめに

便の色や形は、体の健康状態を反映する大切なサインです。

当院では以前、「体のSOS?便の色からわかる病気のサイン」という記事で、便の色から推測されるさまざまな病気について解説しました。

今回はその中でも特に注意が必要な「黒色便(こくしょくべん)」について詳しくお話しします。

黒色便は、食事や薬の影響で出ることもありますが、時には消化管からの出血といった重大な病気が隠れていることがあります。

「たかが便の色」と軽く考えてしまう方もいますが、実は命に関わる疾患の初期サインである可能性もあります。

この記事では、黒色便の原因、受診の目安について消化器内科の視点から解説します。

黒色便とは?

黒色便とは、通常の茶色や黄褐色の便とは異なり、タールのように黒く、つやつやした便を指します。
(医療現場では「タール便」と呼ばれます)

黒く見える理由は、
胃や小腸などで出血が起こり、血液が胃酸や消化酵素によって酸化されることで黒色に変化するためです。

つまり、黒色便は消化管出血を知らせるサインである場合があります。

黒色便の主な原因

1. 食事や薬による影響

黒色便が必ずしも病気によるものとは限りません。

特に、貧血の治療で鉄剤を服用している場合、便が黒っぽくなります。

このようなケースでは体調に問題がなければ大きな心配は不要です。

2. 消化管からの出血(注意が必要な原因)

一方で、消化管からの出血による黒色便は注意が必要です。代表的な疾患には以下があります。

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
    粘膜に深い傷ができ出血を起こします。痛みを伴わず黒色便のみで気づく場合もあります。

  • 胃がん
    がんが進行すると出血を伴い、黒色便が症状として現れることがあります。

  • びらん性胃炎・逆流性食道炎
    粘膜の炎症から出血し、黒色便につながることがあります。

これらの病気は、早期発見と治療がとても重要です。

黒色便が出たときに受診をおすすめするケース

以下の症状を伴う場合は早めの受診が望まれます。

  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • めまい・立ちくらみ、動悸、息切れなどの貧血症状がある
  • 顔色が悪い、疲れやすい
  • 過去に胃潰瘍や胃がんを指摘されたことがある
  • 黒色便が数日間続く。

特に出血量が多い場合は急激に血圧が下がり、命に関わるケースもあります。
「いつもと違う黒い便」を見たら、自己判断せず受診することが大切です。

当院での対応・行える検査

黒色便が出現し、消化管出血の可能性が考えられる場合には、当日でも緊急の内視鏡検査に対応できる体制を整えています。
さらに、高度な治療が必要と判断した際には、地域の大きな病院(基幹病院)と連携し、速やかに受診・治療につなげられるようサポートいたします。

「胃カメラはつらい」「苦しい」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、当院では鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を行っております。初めての方や検査に不安を感じる方にも、できるだけ安心して受けていただける環境づくりを心がけています。

黒色便を放置するとどうなる?

消化管からの出血が続くと、血圧が低下し命に関わる危険があります。
また、がんによる出血の場合、放置することでがんが進行し、治療の機会を逃してしまうことがあります。

黒色便は一時的なこともありますが、放置するとがんの進行や命に関わる事態につながることがあります。

気になる症状があるときは、自己判断せずに早めにご相談ください。

まとめ

黒色便は、食事や薬による一時的な変化であることもありますが、消化管出血など重大な病気のサインである可能性もあります。
特に症状が続く場合や体調不良を伴う場合は、自己判断せず早めに消化器内科を受診してください。

早めの受診が、安心につながり、健康を守る大きな一歩になります。

🌿 川崎区で黒色便や胃腸の症状が気になる方は、花田内科胃腸科医院へご相談ください。
当院では、専門医による丁寧な診療苦痛の少ない胃カメラ検査で、地域の皆さまの健康をサポートしています。

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