「なかなか治らない咳」の正体|② 感染後咳嗽ってどんな病気?
はじめに
「風邪は治ったのに、咳だけが続く」
「特に夜や朝方に咳がつらい」
そんな経験をされたことはありませんか?
咳が長引く原因のひとつに、「感染後咳嗽(かんせんごがいそう)」という状態があります。
今回のブログでは、前回にご紹介した「咳喘息」に続いて、なかなか治らない咳の原因のひとつである「感染後咳嗽」について、わかりやすく解説します。
感染後咳嗽とは?
感染後咳嗽とは、風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症が治ったあとにも、咳だけが数週間続いてしまう状態を指します。
一般的には、感染症が治ってから3週間以上咳が続く場合に感染後咳嗽と診断されることが多く、
特別な肺炎や喘息などが見つからないときにこの診断になります。
感染後咳嗽の特徴は、以下の通りです。
- 乾いた咳(痰を伴わないことが多い)
- 風邪の他の症状(発熱、鼻水など)はすでに改善している
- 特に夜間や早朝に咳が強く出る
- 中高年者や女性に多い
- 徐々に軽くなっていくが、自然に治るまでに時間がかかる
なぜ咳が続くの?
感染後咳嗽では、風邪などでダメージを受けた気道の粘膜が過敏になり、普段なら気にならない程度の刺激でも咳が出やすい状態になっています。
- 冷たい空気
- 乾燥
- 会話や笑ったとき
- 運動したとき
など、ちょっとした刺激で咳が引き起こされてしまいます。
感染後咳嗽を放置すると
感染後咳嗽は、多くの場合、時間の経過とともに自然に改善していく咳です。
ただし、風邪をきっかけに咳が続くという点で、前回のブログでご紹介した「咳喘息」と症状が似ており、見分けがつきにくいことがあります。
(詳しくは、「“なかなか治らない咳”の正体|① 咳喘息ってどんな病気?」をご覧ください)
咳がなかなか良くならない、あるいは次第にひどくなっていくような場合は、注意が必要です。
そのような場合では、感染後咳嗽ではなく、咳喘息や肺炎など、ほかの病気が隠れている可能性があります。
咳がなかなか良くならない場合や、むしろ悪化している場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
診断
感染後咳嗽の診断では、問診と診察が中心となります。
まず大切なのは、咳が長引いている原因として、他の病気が隠れていないかを見極めることです。
咳が続く原因が感染後咳嗽によるものか、それとも別の病気によるものかを判断するために、症状の経過や咳の性質を詳しく確認します。
また、必要に応じて以下のような検査などを行い、肺炎や喘息などの他の病気が隠れていないかを調べます。
- 胸部レントゲン検査
- 血液検査
- 呼吸機能検査
これらを踏まえて、総合的に診断していきます。
治療
感染後咳嗽の治療は、症状に応じた対症療法が中心です。
具体的には、以下のような対応を行います
- 咳を抑える薬(鎮咳薬)
- 咳喘息の合併が疑われる場合には、気管支を広げる吸入薬を使用
- 室内の加湿やマスクの着用で、乾燥や冷たい空気を避けることも有効
多くの場合、こうした対処で徐々に改善がみられますが、症状が長引く場合や悪化する場合には再度医療機関を受診しましょう。
まとめ
風邪が治ったはずなのに、咳だけが続く…。
そんなときは、「感染後咳嗽」の可能性があります。
咳は自然に治ることも多いですが、つらい症状が続くときや、咳以外の異常を感じるときは、
早めに医療機関を受診することが大切です。
川崎区で内科・消化器内科をお探しの方へ。
当院では、感染後咳嗽をはじめ、長引く咳の診療に力を入れています。
また、お腹の症状や消化器の不調についても、内科・消化器内科の視点から丁寧に診療しています。
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